
マーケティングについて、少し軽く考えてみる
マーケティングという言葉は、少し大きい。
広告を出すことっぽくも聞こえるし、SNSを頑張ることっぽくも聞こえる。市場調査とか、ブランディングとか、カタカナの言葉が近くにたくさんいるので、なんとなく難しそうに見える。
でも、もう少し軽く言うなら、マーケティングは「いいものを、ちゃんと届く形にすること」なんだと思う。
たとえば、すごく消しやすい消しゴムを作ったとする
あるところに、消しゴムが好きな人がいたとする。
その人は毎日いろんな消しゴムを試して、ついに、ノートをほとんど汚さずに消せる消しゴムを作った。力を入れなくても消える。紙もくしゃっとならない。消しかすもまとまりやすい。
これはたしかに、いいものだ。
けれど、机の上に置いてあるだけでは、たぶん誰にも伝わらない。
「すごく消える消しゴムです」と言っても、まあ消しゴムはだいたい消える。そこだけ言われても、聞いた人は「へえ」で終わるかもしれない。
そこで少し考える。
この消しゴムは、誰にとってうれしいのか。
テスト前にノートをきれいにまとめたい中学生かもしれない。図面を描く人かもしれない。手帳を何度も書き直す人かもしれない。あるいは、子どもの宿題を見ている親かもしれない。
同じ消しゴムでも、相手が変わると意味が変わる。
「よく消える」だけでは、まだ半分
この消しゴムの機能は「よく消える」こと。
でも、届けたい価値はそれだけではない。
ノートをきれいに保てる。書き直すのが少し楽になる。失敗しても、もう一度書けばいいと思える。机の上で小さなストレスが減る。
こうやって見ていくと、消しゴムはただの文房具ではなくなる。
「きれいにやり直せる道具」になる。
この言い換えがあるだけで、伝え方は変わる。
店頭のポップも変わる。パッケージも変わる。SNSで書く一言も変わる。誰に試してもらうかも変わる。
たぶん、この変換がマーケティング
マーケティングは、無理やり売り込むことではない。
もちろん広告を出すこともあるし、SNSで広めることもある。価格を決めたり、売り場を考えたり、名前をつけたりもする。
でも、その前にやることがある。
自分が作ったものは、相手にとって何になるのか。
そこを見つけること。
そして、その意味が伝わる形にすること。
いいものを作るだけでは、まだ届かない。かといって、届け方だけ上手でも、中身がなければ続かない。
作ることと、意味を見つけることと、伝えること。その間をつなぐ作業が、マーケティングなんだと思う。
マーケティングとは、価値を届ける型である。
KAKUKATAで言うなら
KAKUKATAでこの話を扱うなら、「マーケティングとは何か」を大きく説明するより、こういう問いにした方がよさそうだ。
今、自分たちが売っているものは、機能として説明されているのか。
それとも、相手にとっての意味まで届いているのか。
たとえば、AIツールを売っているなら「作業時間を削減します」だけでは少し弱いかもしれない。
その人にとっては、「考える時間を取り戻す道具」かもしれないし、「属人化していた仕事を、チームで扱える形にする仕組み」かもしれない。
同じものでも、意味づけが変わると、届け方が変わる。
つまり、マーケティングは「目立つ方法」を考える前に、「何として届くべきか」を考える型なのだと思う。
問い:これは、誰にとって何になるのか?
この問いを通すだけで、商品説明、LP、営業資料、SNSの投稿、問い合わせ導線は少し変わる。
たぶん、それくらいの軽さでいい。
難しい言葉でマーケティングを語る前に、自分の作ったものが誰の生活や仕事の中でどう意味を持つのかを、ひとつずつ見つける。
そこから始めるくらいが、ちょうどいい。