実用ガイド / 古文書・戸籍

法定相続情報一覧図の作り方|戸籍の読解から法務局への申出まで

法定相続情報一覧図の作り方を、制度の概要から必要書類、戸籍の読解、法務局への申出、よくある補正、士業に頼む場合まで一般向けに解説。相続手続きで戸籍の束の代わりに使える証明制度の流れを整理します。

最初から読む
法定相続情報一覧図の作り方|戸籍の読解から法務局への申出まで
カテゴリ古文書・戸籍
読了時間13 min read
更新日2026/9/15
QUICK ANSWER

先に結論

法定相続情報一覧図の作り方を、制度の概要から必要書類、戸籍の読解、法務局への申出、よくある補正、士業に頼む場合まで一般向けに解説。相続手続きで戸籍の束の代わりに使える証明制度の流れを整理します。

法定相続情報一覧図は、被相続人の相続関係を1枚(または数枚)にまとめた図で、法務局の確認を経た写しを相続手続きで戸籍の束の代わりに使える制度です。 作り方の本体は「出生から死亡までの戸籍を集め、相続関係を読み解き、一覧図と申出書を登記所へ出す」の3ステップです。

この記事は一般向けの手続きガイドであり、個別事案の法律判断や相続人確定の助言ではありません。最新の様式・運用は必ず法務局の公式案内で確認してください。

なお、家系図づくりや先祖調査の話とは目的が異なります。本記事の戸籍利用も、相続手続きに必要な範囲が前提です。他者の出自を調べる身元調査は重大な人権侵害であり、対象外です。

制度の位置づけ(何のための一覧図か)

銀行・証券・不動産登記など、相続の各窓口では、これまで「被相続人の出生から死亡までの戸籍一式」と「相続人の現在戸籍」を何度も提出する必要がありました。法定相続情報証明制度では、法務局が一覧図の内容を確認したうえで認証文付きの写しを交付し、以後の手続きではその写しを戸籍の束の代わりに使える場面が増えます。

項目内容
申出先登記所(法務局・地方法務局の支局等)
手数料一覧図の写しの交付手数料は無料(戸籍取得の実費は別)
できる人相続人(および法務局が認める代理人)
主な効果相続手続きで戸籍一式の再提出負担を減らせる

※利用できる窓口・取扱いは金融機関等によって異なります。提出先の案内に従ってください。

作り方の3ステップ(法務局の流れ)

法務局は手続きを次の3段階で説明しています(詳細は公式ページ参照)。

  1. 必要書類の収集
  2. 法定相続情報一覧図の作成
  3. 申出書の記入と登記所への申出

ステップ1:必要書類の収集

必ず用意するものの中心は、次のとおりです。

書類ポイント
被相続人の戸除籍謄本出生から死亡まで連続した戸籍・除籍・改製原戸籍
被相続人の住民票の除票等最後の住所の確認(戸籍の附票で足りる場合あり)
相続人全員の現在の戸籍謄抄本相続発生後に取得したもの
申出人の本人確認書類運転免許証の写し、マイナンバーカード表面の写し等

一覧図に相続人の住所を記載する場合は、各相続人の住民票の写し等が追加で必要になることがあります。代理人による申出では委任状などが必要です。書類の組み合わせは事案で変わるため、不明点は管轄の登記所に確認してください。

出生から死亡までの戸籍をどうつなぐかは、出生から死亡までの戸籍のたどり方もあわせて参照してください。古い様式の読み方は古い戸籍の見方・読み方、除籍謄本、改製原戸籍が手がかりになります。

ステップ2:一覧図の作成

法務局が公開している書式・記載例に沿い、被相続人と相続人の関係を図(または一覧形式)で作成します。記載の要点は次のとおりです。

  • 被相続人の氏名・生年月日・死亡年月日・最後の本籍など
  • 相続人それぞれの氏名・生年月日・続柄(住所記載は任意だが、記載するなら根拠書類が必要)
  • 法定相続情報一覧図のタイトルと作成年月日、申出人の署名など様式上の要件

遺言で相続分を変えた結果や、遺産分割の結果そのものを書き込む図ではありません。 あくまで戸籍から分かる法定相続情報を示すものです。複雑な親族関係・養子・代襲がある場合は、作成前に専門家へ相談した方が安全です。

ステップ3:申出書と提出先

申出書に必要事項を記入し、収集した戸籍等と作成した一覧図を添えて登記所へ申し出ます。申出先は、次のいずれかを管轄する登記所から選べます。

  1. 被相続人の本籍地(死亡時)
  2. 被相続人の最後の住所地
  3. 申出人の住所地
  4. 被相続人名義の不動産の所在地

窓口のほか郵送でも申出できます。郵送で写しの交付や戸籍原本の返却を希望する場合は、返信用封筒と切手を同封します(公式案内の最新版に従ってください)。

よくある補正・つまずきポイント

登記所の確認で補正になる典型例です。

つまずき対処の考え方
戸籍のつながりが途切れている転籍・改製の前後を追加取得し、連続させる
氏名・生年月日の表記ゆれ戸籍の記載に合わせ、一覧図側を修正する
相続人の漏れ・余分戸籍上の法定相続人をもう一度洗い直す
住所を書いたが住民票がない住所欄を外すか、根拠書類を追加する
様式の署名・作成日の不備記載例どおりに整える

手書きの旧戸籍が読めず相続関係の見立てが揺れる場合は、推測で埋めず、読める人や専門家に確認してください。当社の古文書AIサービスはお手元資料の下読み整理の支援であり、一覧図の作成代行・法務局への申出代行・相続人確定は行いません。

自分で作るか、士業に頼むか

向き向いている場合
自分で進める相続人が少ない、戸籍の連続が取りやすい、時間に余裕がある
司法書士等に依頼不動産登記と一体で進めたい、相続人が多い・代襲がある、戸籍が複雑
行政書士に相談書類収集や手続きの整理を任せたい(業務範囲は国家資格ごとに異なる)

KAKUKATAは戸籍取得代行や相続手続きの代理は行いません。士業事務所の業務効率化・顧客説明の型づくりは士業向け相続業務AIの領域です。個人の相続手続きそのものは、担当の行政書士・司法書士・弁護士等へご相談ください。

よくある質問

一覧図の写しは何通でももらえますか?

必要な通数の交付を受けられる運用です(交付手数料は無料)。提出先の数に応じて申し出てください。

相続放棄や遺産分割協議書の代わりになりますか?

いいえ。法定相続情報の証明であり、放棄や分割の内容を証明する書類ではありません。

家系図と同じものですか?

目的が違います。一覧図は相続手続き用の法定相続情報です。先祖を遡る家系図は家系図の作り方側の話になります。


まとめ

  • 一覧図は、戸籍の束の再提出負担を減らすための法務局の証明制度
  • 作り方は「戸籍収集 → 一覧図作成 → 申出」の3ステップ
  • 出生から死亡までの連続戸籍の読解が成否を分ける
  • 個別の相続判断・代理は士業へ。当社は取得代行・法律事務を行わない

参考資料

*本記事は一般的な情報提供であり、法律相談・税務相談・相続人確定の助言ではありません。手続きの要件は改定されることがあるため、申出前に法務局の最新案内をご確認ください。当社は戸籍等の取得代行、登記申請、相続手続きの代理、法律事務は行いません(これらは行政書士・司法書士・弁護士等の業務です)。また、戸籍を他者の出自の調査(身元調査)に用いることは重大な人権侵害です。*

型を手に入れる。あるいは、共に超える。